少しでも長く、多く英語に触れるのが王道なのはわかっている。が、身近にネイティブスピーカーの友人もいないし、日本でフツーに暮らしていたら、英語で話す機会はそう多くはない。
「日本人は英語教育を6年も受けて、知識だけはあるんです。でも、それを発話につなげる“回路”が弱い」と指摘するのは、オンライン英会話「レアジョブ英会話」でカウンセラーを務める大西利武(さとむ)さんだ。
大西さんによれば、英会話を成立させているのは知識・回路・実践の3要素という。学校で学んだ文法や読解力が「知識」。飛んでくる話題に何を投げ返すかを判断するのが「回路」。回路を通して出た答えを口に出すのが「実践」だ。
「相手の言っていることはわかるのに言葉が出てこないとか、決まった言い回しに終始してそこから踏み出せない、という悩みは多い。これは自分の中の知識を取り出す回路が弱いか、決まった回路しか使えていないということなんです」
その回路を鍛えるにはどうしたらいいのか。ひたすら「聞く」「話す」を奨励する英会話スクールが多い中、大西さんは「書く」ことの効用を挙げた。
「わかっているのに返事できなかった人が、後でゆっくり考えて『そうか、ああ言えばよかったんだ!』と思いつく。自分の中に答えはあったのに、とっさに取り出せなかったんです。そこを訓練するには日本人の得意なライティングとリーディングを利用します」
話したいこと・話せなかったことを英文で書き出し、音読する。さらにそれをレッスン前の「予習」に利用すると、より効果的だという。今日は何を話題にするか、毎回自分なりの課題を英文メモにして用意。レッスンが始まったらメモは見ずに挑戦して、つっかえるようなら、ちらっと確認する程度に。その繰り返しがトレーニングになり「何をどう話せばいいかわからない」が解消されてゆく。
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