英語を勉強する目的は十人十色。海外旅行や外資系企業への就職に向けて英会話力を身に付けたいとか、より高いTOEICスコアを履歴書に書きたいなど、目的に合った教材やスクールも実に豊富だ。英会話もTOEICも同じ英語だが、「いずれかを勉強すれば一石二鳥でもう一方にも効果があるわけではない」という学習者の声を聞くことがある。今回は、「英会話を勉強するとTOEICのスコアも上がるのか?」について紐解いていこう。
■そもそもTOEICとは?
TOEICテストとは、オフィスや日常で交わす英語のコミュニケーション能力を公平公正に、合否ではなくスコアで評価するテストのことで、世界約160ヶ国で実施されている。テストの種類は、「TOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)」「TOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&W)」「TOEIC Speaking Test」「TOEIC Writing Tests(団体のみ)」「TOEIC Bridge Test(初級・中級者向けのL&R)」の5種類が用意されている。
最も受験者数が多く、一般的に知られるTOEICといえばTOEIC L&Rのことだ。TOEICスコアは、大学では単位認定や入試に、就職活動では履歴書に、会社に入ってからは昇格や昇進などの評価に使われている。TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会の調査『Worldwide Report 2017』によれば、TOEIC L&Rの受験目的として最も多かったのは「英語学習のため」で、次に「就職活動のため」「卒業に必要なため」と続いた。
■TOEICではどんな問題が出題される?
TOEIC L&Rはリスニング100問で約45分、リーディング100問で75分間の合計約2時間。回答はマークシート方式だ。
リスニングセクションは4つのPartがあり、英語で1回のみ流される会話やナレーションの放送を聞いて設問に解答する。各Partで出題される問題は以下の通りだ。
【Part1:写真描写問題・6問】
1枚の写真について4つの短い説明文が放送され、その中から写真を最も的確に描写しているものを選ぶ。
【Part2:応答問題・25問】
ひとつの質問または文章と、それに対する3つの答えがそれぞれ放送されるので、設問に対して最もふさわしい答えを選ぶ。
【Part3:会話問題・39問】
2人または3人の人物による会話が放送される。会話を聞いて問題用紙に印刷された設問(設問は放送される)と解答を読み、4つの選択肢から最も適当なものを選ぶ。会話の中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などの情報を関連づけて解答する設問もある。各会話には設問が3問ずつ用意されている。
【Part4:説明文問題・30問】
アナウンスやナレーションのようなミニトークが放送される。各トークを聞いて問題用紙に印刷された設問(設問は放送される)と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選ぶ。トークの中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などの情報を関連づけて解答する設問もある。各トークには質問が3問ずつ用意されている。
リーディングセクションは、3つのPartで構成されます。印刷された問題を読んで設問に解答する。ボリューム的にはPart7が一番多くエネルギーを使います。Part5とPart6は1問1分、残りの時間はPart7に費やすつもりの時間配分をするのがいいだろう。
【Part5:短文穴埋め問題・30問】
4つの答えの中から最も適当なものを選び不完全な文章を完成させる。
【Part6:長文穴埋め問題・16問】
4つの答え(単語や句または一文)の中から最も適当なものを選び不完全な文章を完成させる。各長文には設問が4問ずつある。
【Part7 :1つの文書・29問、複数の文書・25問】
文書はチャットやメール文など、様々な形式で出題される。設問を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選ぶ。文書内に新たな一文を挿入するのに最も適切な箇所を選ぶ設問もある。各文書に設問が数問ずつ用意されている。
■英会話とTOEIC、どちらから勉強するべき?
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