スピーキングが英語学習を変える

スピーキングが英語学習を変える

 前回は、「英語に慣れる」ということの意味を「日本語の問題」を使って説明しました。
また、「英文のマスターキー」を使ってダイレクトに文意をつかむ方法についても紹介しました。
日本語は私たちにとってあまりにも当たり前の言葉で、ついその意味合いを忘れがちです。
しかし、少し発想を変えると、日本語は英語習得の強力な手段となります。

ようやくスピーキングの時代が来た・・・

 これまで、いわゆる「英会話ブーム」というものが何度も来ました。
しかし、そうはいっても、話はそれほど切実ではなく、「話せたらいいな」程度のものでした。
それがインターネットによって一気に世界がつながり、まるで誰もが英語で話し始めているような気分がし、さらには仕事のあちこちに英語が入り始め、会話を交わす声までもが耳に入り始めると、状況は大きく変わってきました。
本当に英語を話せないといけない時代になったのです。

 「ようやくスピーキングの時代が来た・・・」、今の私はそういう心境です。
なぜならスピーキング力を伸ばす学習方法こそが、ほかのすべての技能につながる学習方法だからです。

なぜできない??

 あなたもすでに感じているはずです。
スピーキングは、他の3つの技能(リスニング、リーディング、ライティング)とはどこかが根本的に違うと。
例えば、テストを受けるにしても、リスニングやリーディングのテストであれば、なんとかなる気がする。
そこにライティングが入ってもどうにかこなせると思える。
ところが、スピーキングとなると、手も足も出ない。
どう勉強して良いのかもよく分からない。
これが大方の人の実感だと思います。

 これまでリーディング、リスニング、ライティングをしっかりやってきた。
文法・語法もたくさん演習をやった。
その上にまだ何か特別な練習をする必要があるのだろうか? そう思っている人もいると思います。

 しかし、今も上で触れたように、「スピーキングに対応する」という視点から英語を学ぶと、4つの技能がきれいにつながり、逆に学習の負担が減って、最大の効果を得ることができるのです。

話せない理由①

 話せない理由の1つ目は、そもそも「口を動かしたことが無い」という、ある意味で当たり前、ある意味で笑えるような理由です。
日本語でさえ、例えば、普段あまり話すことのない話題を急に振られると、スムーズには口が動かないものです。
ましてや、外国語である英語ともなれば・・・ということです。

 なぜ話せないのだろう――それは口を動かしたことがないからだ。
まるで冗談のようですが、これが実際のところです。

 これまで、私たちは黙って英文を聴き、黙って英文を読み、黙って英文を書いてきました。
それで何とかなったのです。
ところが、スピーキングという、ある意味で“究極の能力”にチャレンジし始めて、このような方法が通用しないということが明らかになってしまったのです。

話せない理由②

 頭が膨らみ過ぎている・・・文法解説で。
動名詞、現在分詞、後置修飾、仮定法過去(事実に反する仮定)―――私たちの頭の中は、こういった多数の用語と、あれをしてはいけない、これをしてはいけないという規則で埋め尽くされています。

 これがスピーキングでは大変なことになります。
なぜならスピーキングというのは、いわば“瞬間芸”で、思ったことがタイムラグ無しに、ほぼ瞬時に口から出てこないといけないからです。
つまり、ルールについて考えながら英文を作るヒマ、英作をしている時間がありません。
例えば、あなたは、中学校1年生で習う「三人称単数現在のs」を使おうとして口が動かなくなった経験はありませんか。
いや、それより以前に、書くときにさえ、意識していてもつい間違える、ということはありませんか。
これが、文法重視の学習法の限界なのです(※)。

(※)文法をしっかりと理解し、演習してからトレーニングすると良いという考え方もありますが、これは疑問です。
なぜなら、人間の頭の中では、情報はネットワーク上につながっているため、規則を知れば知るほど、必ずそれに足を取られることになるからです。
文法的な知識をゼロにすることは難しいですが、少なければ少ないほど英語は身に付きやすくなります。
また、途中で力尽きる学習者の数も減ります。
さらに言うなら、伸びる人、努力する人は、これまでの2倍、3倍の速度で英語力を伸ばすことができます。

スピーキング力の6割はすでに身に付いている!

 少しネガティブな話になりましたが、ここで明るい点についてお話しましょう。
それは、あなたはすでに6割方、英語を話す準備が出来ているということです。

 この秘密もやはり日本語力にあります。
例えば、私などはサイエンス系の話になると結構口が動きますが、エンタメ系の話となるとかなり駄目です。
そして、それはそのまま英語のスピーキング力にも現れます。
あなたにも、そういった好きな分野・得意な分野とそうでない分野があるはずです。

 さて、ここが大切な点なのですが、前者については、英語はもうすぐ手の届くところにあります。なぜなら、スピーキング力を身に付けるときに最も大切な点は、「話したいことがある」「伝えたいことがある」ということだからです。
つまり、「コンテンツ」と、それを英語で伝えたいという「強い動機」です。
この2つがあると、話は半分終わったようなもので、あとはそれを英語で言えるようになれば良いだけのことです。
そのぐらい、この2つのポイントは学習効果に影響を与えます。

スピーキング力を伸ばすテクニック

 実は、スピーキング力を伸ばすのに、とくに難しいテクニックは必要ありません。
大切なのは、①常に日本語で意味を確認し、頭を起動した状態にしておく、②徹底的に音を真似て口に出す――この2つだけです。

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