小さい子に「英文法ファースト」はNG

子どもに英語を学ばせるときに、やってしまいがちなことの2つめは、最初から文法だけを教えてしまうことです。 
「英語」がそれなりにできた親ほど、子どもがまだ小学校低学年なのに、文法の参考書や問題集を買い与えてしまいがちです。もしお子さんがまだ10歳以下なら、「文法ファースト」の学び方は、絶対に避けるべきです。

 
たしかに、親の世代が高校の「英語」でまず習ったことといえば、S(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)からなる5文型だったのではないでしょうか。中学でも、ひととおり簡単な挨拶を学んだら、次にはbe動詞の解説が待っていたと思います。 

フォニックスのような「音のルール」はしっかり押さえるべきですが、逆に、「構文上のルール」には重きを置きすぎないようにしてください。 
たとえば、従来型の受験参考書には「不定詞」の単元があり、まずはそのフレームワーク(名詞的用法、副詞的用法、形容詞的用法)についての解説があります。さらに、その枠組みを使うことで、例文などの意味がわかる、といったつくりになっています。 

過去の学校教育では、授業でこの骨組みを生徒に学習させ、テストでその知識を問うのが当たり前だとされてきました。受験対策塾はその性格がいっそう強いと言えます。 
与えられた英文に対して適切なフレームワークを選べば、その文意が「解読」できるようになる――まるでパズルゲームのような発想です。 

受験英語に共通する「モジュール積み上げ」の考え方 

もっとも、僕は文法学習を否定する気はありません。J PREPでも、中高生向けの授業では、意外と多くの時間を文法学習にあてています。 
ただし、中学生から本格的に学びはじめた生徒の場合、だらだらと中高6年間をかけるのではなく、中学3年間で大学受験レベルまでの文法知識を一気に網羅します。そのあとで、多読や作文、会話練習などをしながら、知識を定着させていくのです。 

SLAの研究でも、学習者がある程度の年齢を過ぎているなら、音声のインプット/アウトプットだけでなく、母語も用いたロジカルな理解を組み合わせたほうが、学習効率が高まることがわかっています(Spada and Tomita, 2010; Norris & Ortega, 2000; Lightbown & Spada, 2013)。 

ですので、ここで問題にしたいのは、文法を学ぶことそのものではありません。そうではなく、「文法だけ」を抜き出して学ぶ学習モデルのほうです。 

とくに、テスト対策として教えられる「英語」では、こうした部分からのアプローチが支配的です。 
いきなりまとまった文章を与えるのではなく、とにかく「be動詞」「不定詞」「現在完了形」「英単語」といったモジュール(部品)を子どもたちに植えつけ、それらを使って短文の不自然な寄せ集めを「解読」させているのです。 

「昔よりはマシになった」とよく言われる大学受験のセンター試験「英語」ですら、いまだにモジュールの知識を問うものが大半を占めています。長文読解とは名ばかりの、「部品」がわかれば解ける問題がほとんどで、「文章の概要を大づかみに把握する力」には重きが置かれていません。 

 

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